5 授業への活用法の提案

 これまでの経験をもとにした、授業など学校での効果的な活用を次のように提案する。

  1. 国語授業

私の地域で使用されている光村図書の国語教科書を例に挙げると

1年 ほんは ともだち    むかしばなしが いっぱい

2年 本はともだち           お話クイズをしよう

3年 本は友だち              本を使って調べよう

4年 本は友達        「読むこと」について考えよう

5年 本は友達        広がる,つながる,わたしたちの読書

6年 本は友達        私と本

 

もはや、私などが述べるまでもないが、すべての学年に小単元で読書活動が組み込まれている。これを活用しない手はない。

 

では、どうするか?

 

そう、「着火点」にするのである。私の当時の勤務校のように、学校での取り組みがなければ、「着火点」となりえない。なければ、その場を作ればよい。

上記の単元に入る「0時間目」を国語や学活などでとる。(学活の内容には図書に親しむという項目が正式にあるため活用できる)その時間でビブリオバトルを行う。例えば1年生であれば、大好きな昔話を紹介すると、その本から読書活動が広がることが期待できる。

「着火点」から「発火」した子ども達は「またビブリオバトルをやりたい!」と言ってくるはずである。こうなればあとは、朝の活動や学活、クラスのお楽しみ行事などで子ども達から自然に活動が始まる。理科の時間に図鑑を紹介したり、家庭のレシピ本を紹介したりと、他教科にも広げられる。国語の授業から様々な活動へと「発火」させることができる。

 

2委員会

図書委員会が存在しない学校は、おそらくないはずである。私は図書委員会担当として通常月1回行い、読書月間だけは回数を増やした。同じ立場にある先生はぜひチャレンジしていただきたい。デモンストレーションを何度かすると子ども達はすぐに「着火」する。なぜなら図書委員に立候補する子の多くは「読書好き」だからである。子ども達の熱が冷めないうちに活動を始める。管理職や他の先生の賛同が得られなかった場合は、読書月間などの特別な行事で行えばよい。そこで活動を見てもらい、賛同が得られれば幅が広がる。委員会の子ども達は、ビブリオバトル普及の先導者として、自信を持って活動してくれるはずである。

 

では、他の委員会担当だったらどうすればよいか?

ゲストティーチャーとして図書委員を巻き込めば何の問題もない。担当の先生に思いを話し、休み時間などにデモンストレーションを行って「着火」すれば、子ども達から活動が始まる。直接関われない立場なので、初めは行事だけの開催にとどめておくのが良いかもしれない。担当の先生との連携が必要不可欠になる。

ちなみに私も今年度職場を異動し、図書委員会担当からも外れた。上記のようにゲストティーチャーとして子ども達を「着火」させ、巻き込み始めている。秋には大きく「発火」させられるように準備中である。

 

3地域行事

休日に地域の書店や図書館などでビブリオバトルを行っている自治体が少しずつ増え始めている。私は市のビブリオバトルサークルに所属していることもあり、休日に時々参加しているが、ここでは老若男女あらゆる年代層の人が活動している。先生達自身がこういった場に参加して楽しんでみる。そして体験談とともに学校で興味を持った子ども達にこういった場を紹介し、一緒に参加できれば、「発火」はさらに広がっていく。